うつ病の苦しさが職場の人に伝わらない場合も多い

うつ病における表面飾りがそれほど強い人でなくても、職場の人に当事者の疲労感や苦しさが伝わらない場合も多いものです。

それはうつ状態の本質が波であるということに関係しています。うつ状態の気分の変動は元気なときの本人に比べてかなり波打っています。特に落ち込み期、回復期、リハビリ期にはこの波の特徴が顕著に表れてきます。

周囲の人は、当事者の元気な部分を見てしまうと、「元気なんだ」と理解してしまいます。ところがその数時間後には、かなり落ち込んでいる当事者がいたりするのです。

一般の人には、なんのきっかけもなくこんなに落ち込むことは予想もできませんし、理解もできません。どうしても本人が、何かを嫌がっているとか、避けているなどと捉えてしまうのです。

周囲の観測とは違い、うつ状態の人はひどくもろく弱い状態で社会に出ているのです。

特になにも仕事してないのにどうしてうつ状態などになるのでしょう。やはり心が弱いか、あるいは仮病か、同情を誘っているようにしか見えないのですが・・

これはよく職場で聞かれることです。

うつの人への職場での対応

まず疑問なのは、「特になにも仕事をしていないのに・・」については答えがあります。確かにその人は職場ではそれほど多くの作業をしていないかもしれません。

ところが家庭では、離婚問題を抱えていたり、子どもの不登校のことで困っていたり、借金で苦しんでいたりするかもしれないのです。

一般的に仕事には時間的にも内容的にも区切りがあります。ところが家庭や私的な問題は区切りがありません。その人は仕事が終わった後、ずっと頭を働かせているのです。一日中休んでいないと同じことです。


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